日本の夏は、非常に暑く、湿度も高いため、
汗をかく、喉が乾く、イライラする、不眠になる、胸悶感を覚えるなど、
身体のあちこちで負担が大きくなります。
原則、寒涼性の食物を摂ると良いのですが、現代ではどこに行っても冷房があるので、体が冷えやすい環境におかれています。その場合は、逆に温める食物を摂り、汗をかくことが大切です。エアコンなどにより汗をかかない状況が続くと、体温調節ができず、自律神経にも悪影響が出ることがあります。こんな時は、生姜や山椒、唐辛子などの発汗作用のあるものを取り入れると良いと言われています。置かれている環境により、調整することが大切です。
◆五臓と五色の関係
五行では、夏の五臓は"心"、五色は赤になります。
中医学で言う心の働きは、「血を全身に巡らせる」「感情などの精神活動をする」という機能を持つと考えられています。
この「心」が夏に熱をもって負担がかかりやすくなります。
そうなると、動悸や胸の痛み、イライラ、忘れっぽい、不眠、眠りが浅いといったトラブルがでてきます。そんな心を補ってあげるのは、「赤」の食べ物。
トマト、ベリー、ナツメ、プルーン、龍眼肉、クコの実など赤いドライフルーツがお勧めです。
◆夏対策の薬膳食材
1.熱を冷ます作用のあるものを摂る
熱の負担が大きい場合は、清涼性食材を摂りましょう。
例)緑豆、小豆、きゅうり、とうがん、トマト、苦瓜、セリ、セロリ、ナス、カブ、ゴボウ、スイカ、菊花、ミント、大麦、小麦、そば、はとむぎ、緑茶、梨、ブドウなど
2.水分・ミネラルを補うものを摂る
汗とともに失った水分・ミネラルを補いましょう。
例)きゅうり、トマト、くわい、長いも、梅、レモン、スイカ、梨など
3.精神を安定させるものを摂る
夏の暑さで心に負担がかかります。
例)なつめ、ハスの実、ゆり根、西洋人参、鶏卵、うずらの卵、牛乳、内臓のハツ、ヤマイモ、ジャガイモ、カボチャ、シイタケ、大豆、米、小麦など
4.気を補うものを摂る
汗をかくと、気も一緒に出ます。気はカラダを動かす原動力。夏バテしないように、元気になる食材を摂りましょう。
例)そら豆などの旬の豆類、長いも、かぼちゃ、鶏肉、豚肉、牛肉、お米、あじ、いわし、かつおなど
5.利尿作用食材で、むくみ回避
例)トウモロコシのひげ、緑豆、小豆、白菜、うり類、大麦、ハトムギ、そば、大豆、豆腐、ウナギ、カモなど